PF30に挑む
初物尽くしの油圧ディスクロードバラ完。
次はBBです。
ここまで色々と初心者には(特に心理的)ハードルが高い作業に挑戦してきました。
- パーツ揃え
←何をそろえればいいかイマイチわからない - カーボンコラムカット
←失敗したら後戻りできない - Di2ケーブル選定
←長さよくわからない - ハンドル・フレーム内装
←面倒くさそう - ブレーキオイルブリーディング
←ブレーキ効かないと死んじゃう - BB圧入
←素人には無理ゲー?
今回のフレームのBB(ボトムブラケット)の規格はPF30です。
何故これがハードルが高いかというとPF=PressFitつまり圧入が必要になるわけです。
とまぁここまでは調べればすぐわかるのですが、そこから先やれ専用工具だ、失敗したらフレームが死ぬ、そうじゃなくてもフレームに負担がかかる、異音がーなどなど、やる気を削ぐ情報しか出てきません。
(一応PF一族さんの名誉のために言っておくと、異音対策がされ(PF30)たことになっている、剛性UP!ネジ切り不要でコストダウン!軽量化にもつながるよ!ってことらしいです、知らんけど)
私の今までのフレームもPF30がついており、交換するとなるとこいつを打ち出して新品を圧入してという作業になるのですが、今回はバラ完なので取り付けだけを考えればOKです。
そこで今回は、圧入作業が不要な(ネジ切りのようにインストールできる)WISHBONEを入れることにしました。
既にこのページだけで19種類もあるという恐ろしさ…更に開くとPF30だけで9種類あります。(必要になるのはフレームの内径とシェル幅で今回は内径46mm / シェル幅68mmのPF3024を選択しています)
(フレームを真円にするのが筋かもしれませんが、失敗時の金銭的ダメージを秤にかけた結果3秒で決めました)
油圧ディスクブレーキに挑む
ここまでの流れ…は長くなってきたので省略。
Di2の組付けはほぼ終了したので次はいよいよ油圧ブレーキ周りの組付けへ。
しかしディスクブレーキも油圧も初めて(厳密にはcujo3は油圧ディスクなので初ではないが、完成車購入なので組み方も整備方法もよく知らない)です。
ブレーキは特に命ちに関わる部分なので慎重かつ正確に行う必要があります。可能ならプロに任せましょう!
…という記述を見る度にビビりまくってしばらく手を付けずにいたのですが、やらない事には進まないので覚悟を決めます。
取り敢えずブレーキをフレームに固定してみます。
うわっ…私のボルト、長すぎ…?
マニュアルをよく見るとリアのブレーキの固定はフレームの厚さにより必要なボルト長が異なるとのこと。
(シマノのマニュアル、なんか読むの苦手なんですよね…電子マニュアルなのでスマホで拡大してみることが多いのもあって左側だけ見がちになりますが、しれっと右側の注意のところに重要な情報があるので、「いやそれ注意つーか最初から左側に載せてよ…」と思ったり思わなかったり)
そしてこのボルト、単体で買うと何と1本500円オーバー!いくら自転車乗りの金銭感覚が麻痺してるからって…。
一瞬ホームセンターで長さ一緒のボルトを買えばいいのでは…とも思いましたが、安全に関わる部品なので純正品を取り寄せ元々のボルトはお蔵入り。
こいつが高級ボルトだ!
ここまでフレームやらコンポやらで多大な出費をしているので1,000円程度の出費は最早誤差のはずなのに何か損した気分…悔しい。
さて、ボルトもそろったのでキャリパーを仮付けしまずはブレーキホースの長さを決めないといけません。
ハンドルに内装するので一苦労。
フレームに内装するので一苦労。
(実はここで更にコラムカットが必要と判断しせっかく内装したのに取り外してコラムカット)
再度フレームに内装するので一苦労。
完璧に通したと思ったらブレーキホースとDi2ケーブルが微妙に捻れてやり直し。
今度こそとキレイに通し直して床を見ると、ヘッドキャップが…
通し忘れたああああああぁぁぁぁ…
(スペーサーは分割式なので後から調整できますが、ヘッドキャップは先にラインを通しておかないと内装出来ません)
何度も抜いたり挿したりしてるブレーキラインより先に私の心が折れて全てを投げ出したくなりましたが、ここが終わらないとToDoリストが進まないので何とかヘッドキャップまで付けてフル内装しブレーキラインの長さを決めて完了!
(切断は専用工具を使えば確実なのですが、ケチって付属のコネクターインサート取り付け用のプラスチックを万力で挟んでホースが真っ直ぐになるようにしペンチの刃でやりました。その後断面を軽く整えたらプラハンでコネクターインサートをインサート!)
いや、完了していない…ここからが本当の地獄だスタートです。
マニュアルに沿ってブリーディング(気泡抜き)を行います。
必死すぎて写真がないのですが、手順としては
- レバーとキャリパーをホースでつなぐ
- レバーにファンネルアダプターとファンネルを取り付ける
- キャリパーのニップルにオイルを入れたシリンジを繋ぐ
- オイル注入
- ファンネルまでオイルが上がったらニップルを閉じてレバーをニギニギ
- 気泡が消えたらキャリパーにホースとビニール袋を繋ぎニップルを開く
- 気泡が消えたらニップルを閉じてブレーキレバーをニギニギ
- 6と7を繰り返す(ファンネル内のオイル量に注意)
- ハンドル(車体)の角度を変えたり軽く振動を与えるなどして気泡が出なくなるまでニギニギ
- 車体を水平に戻してファンネルにオイルストッパーを入れてファンネルとアダプターを外す
- リザーバータンクにOリングと蓋をして終了
なのですが、シリンジでオイルを注入しようとしてチューブが外れてオイルが飛び散るという惨劇が発生…接続には気を付けたうえでゆっくり注入しましょう。これがDOTだったら致命的な致命傷だった…。
実際オイルブシャーでひどい目にはあいましたが、一度やってしまえば作業としてはそれ程難しいものではないと思います、むしろ結構好きかも。オイルが劣化した場合交換が必要になるのでこの作業は覚えておいて損はなさそうです。
以下、作業に必要なもの。
シマノ TL-BT03-S ベーシックディスクブレーキブリーディングキット Y8H498090 自転車 価格:2,080円 |
中身はじょうご・オイルストッパー・注射器・チューブ・ホルダーです。シリンジもチューブも一応径が合うようにできているのでこちらを持っておくのがいいかと思います。R8070用のファンネルアダプターとオイル(各50ml)はSTIレバーに付属するので別途購入は不要です。
【KTC 京都機械工具】KTC M5S-05507 45°×6° ショートめがねレンチ 5.5×7mm 価格:912円 |
7mmのメガネはニップルの開閉に必要です。別に外れなければ100均のでもいいと思います、うちのも100均ですし。
SHIMANO(シマノ) スモールパーツ・補修部品 フラットマウント取付けボルト フレーム厚10mm ボルト長さ23mm Y8N208000 価格:472円 |
あとはプラハンとホース切断用の工具、その他ウェスとかキッチンペーパーとかこぼした時の対策をしておくとよいかと。
エレクトリックワイヤー調達
ここまでの流れはこちら
フレームを手に入れたのでいよいよ組み始めます。
今回は電動コンポ&油圧ブレーキということでR8070で組むことにしました。
しかし、こちらのセットには各パーツ間を接続するケーブル=エレクトリックワイヤーが付属しません。
そこでフレームに合わせた長さでエレクトリックワイヤーを購入する必要があります。
通常、機械式コンポの場合レバーからディレイラーまでは金属ワイヤーになります。このワイヤーを巻き取ったり緩めることでディレイラーを引いたり戻したりしているわけですが、Di2の場合はこれを電気信号で行うためエレクトリックワイヤーが必要になります。また、動力が必要になるためバッテリーをと各パーツ間に複数のエレクトリックワイヤーが必要になるというわけです。
フレーム内はRD・FD・バッテリー→ジャンクションB→ハンドルへの配線が必要になり、内装ハンドルに通常のステム下ジャンクションAは使えないため、シマノのマニュアルによると次のような配線になります。
EW-WU111がワイヤレスユニット、EW-JC130がY字(三つ又)ワイヤ、EW-RS910がバーエンドタイプのジャンクションAになります。
しかし、一つ問題が…。
EW-JC130はSS(250-350-50mm)/SM(450-350-50mm)/MM(550-550-50mm)と3種類の長さがありますが、上の図でいうJC130とWU111の分岐部分まではどのサイズを選んでも50㎜しかありません。
フル内装ハンドルの場合、WUをハンドル内に収めるのが(少なくても私のハンドルでは)困難であり、そもそもシマノとしては外装するのが仕様となっています。
入らなくはないけど…うーん
更にバーエンド側から同じ側のレバーに接続しようとするとハンドルの出口部分で折り返しがかなりきつくなってしまいます。油圧ブレーキのホースも通ることを考えるとそれはまずそう…。
そこで、検討したのは次の方法。
まず、フレーム内のジャンクションBの先にWU111を付けます。
そこからハンドル内の右バーエンドにあるジャンクションAに接続します(紫)。
ジャンクションAからは左レバーへ接続し(赤)、最後に左レバーの残りポートから右レバーへ接続します(青)。
この接続だと追加のスイッチ等はつけられませんしケーブルが余計に必要にはなりますが、配線の角度や長さに無理はなく、動作確認したところ問題もなかったのでフル内装ハンドルにおける接続方法はこれしかないのでは…?
スパゲッティ!車のナビの裏のような状態ですが、これでちゃんと動きます。
(WUのフレーム内設置は仕様外なので、WUをRD近辺にでもつけてジャンクションBから配線するのが本来の接続でしょうか…個人的に外に出したくなかったのでこの形に落ち着きました)
参考までに、私が使ったワイヤーの長さと本数を記載しておきます。(フレームやハンドルによって長さは異なると思います。短いとどうしようもありませんが、長い分にはフレームやハンドル内に押し込めばどうとでもなるので、余丁を取る方が安心かと思います)
ジャンクションB → バッテリー:EW-SD50L 700mm
ジャンクションB → FD:EW-SD50L 350mm
ジャンクションB → RD:EW-SD50L 600mm
ジャンクションB → ワイヤレスユニット:EW-SD50L 150mm
ワイヤレスユニット → ジャンクションA:EW-SD50L 1400mm
ジャンクションA →左レバー:EW-SD50L 700mm
左レバー → 右レバー:EW-SD50L 500mm
あとは仮組をしてBB付近に集結させればOKです。
新車、そしてカーボンコラムを斬る!
ここまでの流れはこちら
別に引っ張ってもそんなに楽しみにしている人もいないと思いますし、この記事を書く前に無事完成したので、手順を整理しながら書いていきたいと思います。
(バラ完は初なうえにディスクロードも初ということで部品やら工具の下調べ&少しでも経費を削ろうと色々な店にパーツやら工具やらを注文していたら完成まで時間がかかってしまいました)
ちなみに、以前に挙げた新車選びの条件と優先順位は次の通りでした。
- 油圧ディスク
- フル内装
- 軽量モデル、エアロはあまり好きじゃない
- 白系のカラー
- 流石に3桁は無理
- せっかくなので電動コンポ
そして手元にあるのは…
エアロで赤いフレーム(+申し訳程度の白)
…色々悩んだ結果、こうなりました。
一応油圧ディスクでフル内装という譲れない条件は満たしていて見た目や色も好みなので後悔は無し!!
というわけで、今のバイクと同じRidleyのNoah Fast Discに決定。
パーツが揃うまで最初にできそうな事ということで、まずはコラムカットから。
こちらもアルミコラムは切ったことがあるのですが、カーボンは初。前回工具で書いたカーボンソーとソーガイドを購入しチャレンジ。
(ハンドルから出ているのはハンドル内装の練習に入れたシマノのチューブです。これ、間違って10個単位で発注してしまい家に山ほど転がっています…こんなところで役に立つとは)
ハンドルの内側とほぼツラになるようにマーカーで印をつけます。
そして…斬る!
ソーは粒子付きなので実際は荒いヤスリで削っていくようなイメージ。
ソーガイド(2㎜の方)に挟んだら…
ゴリゴリと…
時間にして20分前後くらいでしょうか、替刃を直で持って切断したのでちゃんとした持ち手が付いていればもう少し楽かもしれません。
あと、一応ソーガイドをバイスに固定したのですが、机でやるのが面倒に…。
結局床の上でガイドを手で押さえながら切断したのでバイスはなくてもいいと思いますが、せめて新聞紙くらいは敷いてやりましょう。
断面はこんな感じに。サンドペーパーを掛けて、一応アロンアルファ(一番安いやつ)を断面に塗って終了。
完成!
(最終的にスペーサーを二枚残して更にカットしてあります)
油圧ディスクロードを組むのに必要な工具たち
今の手持ちの工具は機械式リムのロードを整備するのに用意したものです。
これが電動かつ油圧ディスクとなると色々揃えないとダメかな…?と若干ハードルが上がります。
更に、BB周りなど触ったことがない部分の工具も手持ちにはありません。
ここまでの流れはこちら
必要な工具を検討します。
まず油圧関係
- ブリーディングキット
ブレーキフルードの注入とエア抜きは必須です。
SHIMANO(シマノ) TL-BT03Sディスクブレーキブリーディングシンプルキット[その他][専用工具]
価格:2,328円
(2020/9/22 23:21時点)
感想(0件)
慣れないままやったらオイル噴出し…何とか致命傷で済んだぜ…いや、DOTだったら更に大変なことに…。 - その他必要パーツ
オリーブやインサート、オイル50ml×2、ブリードファンネル、オイル受け袋、インサート時にホースを固定するTL-BH61、スペーサーはコンポ(STIレバー)に付属します。 - ブレーキホースカット
シマノからTL-BH62という工具が出ています。こちらは油圧ホースのカットとインサートを挿入できる専用工具です。
SHIMANO(シマノ) TL-BH62ディスクブレーキホースカット&セット工具(ブレーキホースカッター)[工具セット][メンテナンス]
価格:8,882円
(2020/9/22 23:20時点)
感想(0件) - 上記工具を使わない方向け
プラハン&バイスまたはウォーターポンププライヤー&ホースを切る何か&7㎜メガネ&8㎜レンチ
電工セットと100均工具で何とかなりました。ダイソープラハン最高!
- スタンド
油圧関係は上記で何とかなりますが、実際組付けやブリーディングを行う際はスタンドが必須だと思われます。
RS-1800は付属部品でスルーアクスルのフレームも固定でき、固定したまま角度も変えられるのでお勧め。
続いてDi2関係
ディスクブレーキ関係
- センターロックのロックリングツール
BB周り
- 工具
Wishboneを使う予定なので圧入は不要
ホローテック2用のレンチでOKです。
一応専用工具も出ているようです。
コラムカット
- カーボン用ソー
替え刃のみですが、持ち手がなくても十分いけます、節約節約。
普通の鋸と違い刃の部分にカーボン用の処理がされています。
- ソーガイド
こいつがないとまっすぐ切れませんので必須。
カーボン用の刃が厚いので2㎜程の隙間が作れるタイプを選んでください。
意外と工具は増やさずにいけそうです。